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Gaynor Minden
ちょっと前の話ですが、先日購入した本「Ballet Companion」が発売になるということを知って、かなり久しぶりにGaynor Mindenのウェブサイトに行ってみました。私はゲイナー・ミンデンはポワント・メーカーとして知っていたものの、そこのイライザさんが本を書く人だとは認識していなかったので。(この本の紹介ページにちょこっと中身の写真も出ています。)

そこで気づいたのは、ゲイナーのポワントはここ数年で随分市民権を得たのだなあということ。マーフィーはもう長いことゲイナーの広告塔になっていますが、何でリチェットがこの本のモデルになったのかと思ったら、彼女もゲイナーを履いていたのですね。確か、数年前にはここのシューズを履いている人はもっと少なかったと思うので、ABTでぐんぐんシェアを伸ばしていることもさることながら、コジョカルやヤノウスキなど、ロイヤル等でも愛用者が増えていることにちょっと驚きました。というのは、ゲイナーのポワントは「ハイテク」シューズとして何年か前には異端視されがちだった記憶があったので。

昔ながらのポワントと違い、ゲイナーのシューズには新しい素材が使われていて、その構造も少し違います。ここで面白い比較が見られますが、ゲイナーのポワントは他と違って、ゴムのような薄いスポンジのようなものが靴底からぐるりとつま先を部分を包んでいるのが分かると思います。(ゲイナーとその他のシューズで左右が違うのでちょっと見にくいですが…。あと、他のメーカーの切り口が随分粗いのは故意??) 

この新構造はダンサーの足を守り、ポワントを長持ちさせるらしいですが、私の記憶にある限り、数年前には一般的にあまり受け入れられてはいなかったと思います。靴自体にサポート力があるためゲイナーを履いていると従来のポワントでは立てなくなるという話や、自分の教室でゲイナーは禁止というバレエ教師の話も聞いたことがあるし、ジリアンも駆け出しの頃にはゲイナーを履いていることを皮肉られたりしていたと思います。(逆に、音が静かなので発表会ではゲイナーを履かせるという教室も聞いたことがありますが。。。)

この2年前のテレグラフの記事は、コジョカルがゲイナーに乗り換えることにした頃のものですが、ゲイナーとフリードが良く比較されています。コジョカルに関しては、変形してしまった足を治癒する目的もあってゲイナーに変えたようですが、今でも履いているということは気に入っているんでしょうね。さて、ゲイナー、フリード双方の言い分として、ゲイナーは衝撃を吸収する素材を使用しているので怪我を防げること、また、一足の値段は高いけれど他のポワントの何倍も長持ちするので結果的に経済的であること、フリードはダンサーに専属の職人が手作りしているので注文に合わせていつでも微調整が可能であることなどが述べられています。
by ponchikrin | 2005-10-12 02:28 | Ballet News
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