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- Then and There - New York City Ballet
6/13/2008 NY State Theater

18日の引退公演には行けないのでダミアン・ウォツェルを見るのはこれが最後。しんみり心に残る放蕩息子でした。

Thou Swell

Music: Richard Rodgers
Choreography: Peter Martins

Faye Arthurs, Charles Askegard, Yvonne Borree, Nilas Martins, Sara Mearns, Jared Angle, Rebecca Krohn, Tyler Angle

2003年、リチャード・ロジャース(「サウンドオブミュージック」「王様と私」等の作曲家)の生誕100年を記念してピーター・マーティンスが振付た作品。舞台上のバンドと、20世紀前半のロジャース作品を次々に歌う男女の歌手、タキシードにイブニングドレス姿の4組のカップルが1930年代のNYのナイトクラブをエレガントに演出する。私はこういった演目はバレエ作品としてあまり好きではないが、マーティンスの振付にしては洒落ていてそれなりに面白かった。バレリーナはロングドレスを着せると本当にスタイルが良いもので。私の隣に座っていた老夫婦は時々笑い声をあげるほど、本当に楽しそうだったので、セッティングからしてこういった年代の方々向け、といった印象だった。

Prodigal Son
Music: Sergei Prokofiev
Choreography: George Balanchine

The Prodigal Son: Damian Woetzel
The Siren: Maria Kowroski

我まま息子として登場のダミアンが膝をばしばしと叩き、飛び回って叫ぶ様は、外に出たくて仕方の無いフラストレーションが良く表現された、エネルギーの有り余った聞かん坊。それが、その後身ぐるみ剥がされ一人になったときには息をするのも辛いほどの孤独感と痛々しさがひしひしと伝わってくると同時に、その飾りの無い姿が美しい。こういった内面表現を知的に演じるダミアンが舞台を去ってしまうなんて、本当に寂しい。

この日ではないけれどNY Timesに出ていた同プログラム評はこちら

Brahms-Schoenberg Quartet

Music: Johannes Brahms, orchestration by Arnold Schoenberg
Choreography: George Balanchine

Abi Stafford, Philip Neal, Savannah Lowery, Janie Taylor, Jared Angle, Megan Fairchild, Andrew Veyette, Wendy Whelan, Charles Askegard

4曲からなるこの作品は、少しずつ違った雰囲気で振付られていて、衣装・セッティングも微妙に変化する。アレグロを踊ったスタフォードは軽く柔らかで、インターメッツォのテイラーは妖艶。アンダンテにフェアチャイルドは合わないように思えたが、まるで彼女の脚が指揮棒になったようにテンポをきざむ、その音楽性は見事。4曲目は民族調で勢いのある艶やかな作品で、ウェーランがとても華やか。
by ponchikrin | 2008-06-16 02:19 | Ballet/Dance Reviews
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